インタビュー

別府大学に通いながら砂湯でバイトしている千佳子ちゃん



ー 簡単な生い立ちを教えてください。

大分県国東市の武蔵町で生まれて、地元の小・中学校に通って、高校は杵築高校に行って大学は山口大学に行くはずだったんですが、色々あって別府大学に行くことになりました。生け花と書道を辞めたくなかったので県内の大学に行く選択をしました。国際経営学部の観光学コースで勉強しています。

ー 別府大学に通うために別府に引っ越して来たと思うんですが、国東から別府に来た印象はどうでしたか?

国東は田舎なので別府は賑やかな街というイメージがありました。後はやっぱり温泉の街ってイメージですね。実際に住んでみた印象はとても暮らしやすいんですが、夜は暗いし、近くに温泉があってもほとんど行かないし、実際に暮らしてみないと分からないことだらけだなと(笑)

砂湯でバイトするとご覧の通り


2面ある砂湯は温泉で温めている



ー 別府に来たからといって、温泉を楽しむわけじゃない?

やっぱり日々の暮らしってなると家のお風呂に入る感じです。温泉は行っても月1回くらいですかね。もちろん、温泉を楽しんでる子もいますけど、毎日公衆浴場に入りに行くみたいな子は少ないと思います。

砂をかける女性は「砂かけばばあ」と呼ばれている



ー 温泉にはあまり行かないということですが、何故砂湯でバイトしようと思ったの?

最初は新聞でバイト募集の広告を見つけて、面白そうだなと思ったのがきっかけです。ベランダから見えるくらい砂湯が近い場所に住んでいたこともあって、遅刻の心配もないかなと思って応募しました。大学に入ってすぐに面接に行きましたね。

ー 砂湯ってどんな感じの面接するのか興味あるな(笑)

特に履歴書を渡すこともなく「とりあえず砂湯を体験してみますか?」と言われて浴衣を渡されて。働いているお姉さん方とお話しながら入って「じゃあ、いつから来れますか?」みたいな感じでした(笑)

砂湯の目の前を通る子供達も興味津々


観光で砂湯に遊びに来ていた方達



ー 別府っぽいなー(笑)でも、実際に体験させてもらうのはいいね。それで、砂湯で4年間働いてみてどうですか?

国内外から沢山の人が来るので、色んな方とコミュニケーションを取って刺激をもらえますし、常に賑やかですね。別府の方は砂湯を知らない方はほとんどいないので、砂湯で働いているっていうだけで会話が弾んだり、教授に覚えてもらえたりします(笑)

ー いわゆる観光スポットなので、実際に別府に住んでいる人は砂湯に行く機会が少ないと思うんだけど、やっぱり観光客の方が多い?

有名なガイドブックにも掲載されているので、特に週末はお昼前にはその日の受け付けが終了するくらい混み合いますね。おっしゃる通り、ほとんどが県外の方です。砂湯は1回15分程度で入れる人数が決まっているので、夏休みとかはほとんど毎日予約で一杯になりますね。

ー 海外からの観光客の方も多いですか?

そうですね。中国や韓国の方が団体で来られることが多いですね。珍しがる人が多いですね。

バイト中の千佳子ちゃんと


プライベートの千佳子ちゃん



ー 僕も実はまだ砂湯未体験なので、撮影後に入ってメイキングに感想を書きたいと思っていますが、そもそも砂湯はどういう仕組みになってるの?

砂を温泉で温めています。蒸気ではなくて、温泉の源泉を砂に入れて温めた余熱が砂の温度なんですよ。だから風が強かったり、雨が降ったり天気が悪いと砂の温度がすぐ下がってしまいます。大体1時間に1回は温泉を入れて温めます。ちなみに砂を温めた温泉はそのまま流れて海に垂れ流しです(笑)

ー 温泉で温めてるんだね。目の前の海に温泉が大量に流れていくのは僕も衝撃でした。ということは温泉の効果みたいなものも期待出来る?

あるんですかね?(笑)
砂湯の砂を身体にかけること自体には疲労回復だったり、指圧の効果があるらしいです。よく汗が出るので、女性の方にはデトックスという意味でも人気があります。多分、温泉の効果もあると思いますけど、はっきりは知らないです(笑)

千佳子ちゃんにも実際に砂湯を体験してもらった



ー そうなんだ(笑)あと砂湯で働いている人のことを「砂かけばばあ」って呼ぶって話を聞いたんだけどあれは本当?

そうですね。私も「砂かけばばあ」です(笑)今はバイトで若い子も働いているのでそうでもないですが、昔は年配の方が砂かけをしていたのでそう呼ばれてたみたいです。私がバイトを始めた頃ぐらいから若い人も募集するようになったそうなので、今の時代には合ってない呼び名かもしれないですね。ちなみに今は女性スタッフしかいないですけど、男性の方でも働けますよ。

ー 「砂かけじじい」でもいいわけだね。あと試験を受けて合格すると「砂かけマイスター」になれるという話は本当?

それも本当ですね。砂かけの技術と知識、別府市内の温泉についての筆記テストがあるそうです。勤続3年以上じゃないと試験を受けられない感じです。今働いている中でマイスターなのはももちゃん(撮影の日、案内をしてくれた桃山さん)だけですね。そもそも今は砂湯自体も少ないですからね。
別府だと「別府海浜砂湯」「竹瓦温泉」「ひょうたん温泉」の3か所で野外の砂湯は別府海浜砂湯だけですし、あとは鹿児島の指宿温泉もオーシャンビューです。指宿は蒸気で温めている砂湯なので砂がサラサラしています。だから別府の方が砂が重いです。

晴れた日は最高に気持ちがいい



ー さすが詳しいね。ちなみに砂湯で使用しているあの砂はやっぱり砂浜の砂を使ってるの?

あの砂は海の砂ではなくて、川の砂を持って来て使っています。

ー え!!川の砂なんだ?てっきり海の砂かと思ってました。

海の砂だと粒が細かいので温泉がなかなか抜けないんですよ。月に1回くらい追加で川砂を入れてます。

なかなか砂から出られずに
ゾンビや大根みたいな格好になるそう



ー 砂湯で働いていて、何か印象に残っているエピソードなどはありますか?

自分の学校の学長を砂に埋めました(笑)別府温泉大学のCM作りで来てたんですけど、自分の学校の学長を埋める機会もなかなかないと思うので面白かったですね。あとはお父さん、高校の時の先生も埋めましたね。
砂をかけるのには技術がいるんですよ。鋤簾を使って砂をかけて行くんですけど、砂が結構重いので考えながらかけていかないとお客さんの負担になってしまうので。足の先の方は手を使ってかけたり、しっかり全身に砂をかける必要があります。

砂湯で働くと毎日がオーシャンビュー



ー 砂湯で働いてみて地元の方と触れ合うこともあったと思いますが、別府の人の印象はどうですか?

観光地ってこともあると思うんですけど、道に迷っている人に声をかけて教えてあげたりする方も多いし優しい印象ですね。飲みに行っても話しかけて下さる方が多いので。砂湯で働いてるスタッフもお客さんにめちゃ話しかけますしね(笑)

別府に住んで船が好きになり、フェリー会社に就職するそうだ



ー ありがとうございます。最後にこれから別府に来る人へメッセージを。

別府で温泉に入って湯布院に泊まるとか、お昼の観光名所だけ見るとか、大きなホテルに泊まってホテルの中だけで過ごすとか、夜の街に出ないっていう方が多いと思うんですけど、私も夜の別府に飲みに行くんですけど、別府は夜もとても面白いです。昼は砂湯に入って、別府に泊まって、夜の街も満喫して欲しいですね。
「砂かけばばあ」のみんなは別府にも詳しいので、砂湯でオススメのお店を聞いてくれたら嬉しいですね。



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