インタビュー

別府大学の図書館にて



ー まずは簡単な生い立ちと別府に来ることになった経緯を教えてください。

佐賀県出身で高校まではずっと佐賀で暮らしていました。小学3年から高校3年までずっと野球をしていました。
僕の祖父が戦争を体験していて、よく話を聞かせてくれてたんですけど、過去の記憶を大事にして欲しいっていつも言っていたんですね。その当時はよく分からなかったんですけど、その影響もあって次第に歴史に興味を持つようになりました。
高校生になった時に大学でアーカイブズを学んでアーキビストになりたいという夢が出来て、調べてみるとアーキビスト養成課程が別府大学にあることがわかったんですよ。それで受験して、別府に来ることになりました。元々、別府大学は発掘や考古学で史学科が有名なんですよ。

ー 僕も別府大学のOBになるんだけど(国文科を中退)、史学科が有名っていうのはこの年になって初めて知ったんだよね。具体的にどういう勉強をしてるの?

古文書とかを解読して目録を作ったり、考察したり。僕の場合はアーカイブズなので、資料保存とか残していくためにどうすべきか、みたいなことを学んでいます。

ー なるほど。円城寺君は今別府の歴史をアーカイブズするために、様々な活動をしていると思うんだけど、別府でそれをやりたいと思ったきっかけってなんだったの?

入学した時に大学の温泉愛好会に入ったんですけど、共同温泉とかによく行ってたんですよね。大学生にしては珍しいと思うんですけど、地域の人との接点が多かったんですよ。
別府の方は喋るのが好きな方が多くて、別府の昔話とかをおじいちゃんが話してくれるんですよ。それを聞いていると別府の歴史って面白いなって思うようになったんですね。「うちに写真があるから見に来ないか」なんて言ってくださる方もいて。自分の身近な所に別府の歴史が転がっていて、それに触れているうちに純粋にやりたいなって思うようになりました。

街を歩く姿も目立っている



ー 別府の人と触れあうことによって、欲求が湧いてきたんだね。その始まりの舞台が温泉っていうのも別府ならではだよね。

そうですね。誰かにアポを取ったわけではなく、ただただ普通に温泉に行ったら、そういう話になって盛り上がるって感じでしたね。

ー 温泉愛好会に入ったってことは元々温泉が好きだったの?

佐賀県は嬉野とか武雄とか温泉はあるんですが、僕の住んでいた街にはなかったので、そんなに身近なものではなかったです。ただ別府に来るなら温泉だと思っていたので、何かサークルに入るなら温泉愛好会がいいなとは思っていました。

前田温泉の常連さんに「君、マジシャンかい?」と言われたスタイル



ー 温泉愛好会はどんな活動をしてるの?

週に1回集まって、みんなで温泉に行く感じです。そこで喋ったりとか、純粋に温泉を楽しむって感じですね。別府に来て2年ですが、今は僕が代表をやってます。

ー それにしても2年でこれだけ地域の人と関わったり、活動している大学生も珍しいよね。でも、そういうある意味変態的な人は別府に合うと思うんだよね。ルートハチハチも僕が変態だと思う人を撮影してるんだけど、円城寺君からも変態臭がプンプンするよね。

ありがたいです(笑)

ー いつも着ている服といい、どういう育ち方をしたらそんな風になるんだろうね(笑)

それ、凄い言われます。
両親にも言われるんですよ、「お前はなんでそんな風に育ったんだ」って。僕の両親は普通に会社勤めですし、高校生の弟も割と内気な性格ですし。あまり社交的じゃない家族だと自分でも思うんですけど、理由は僕が一番知りたいですよね(笑)

円城寺君のいつものスタイル



ー 別府は変態を引き寄せるから、温泉の神様に「円城寺、お前はこの街で一つ事を為せ」って言われてるのかもしれないよね。

そもそもアーカイブズをやっていなければ別府には来てないですし、別府に来るまではこの街でアーキビストになろうとは思っていなかったですし、運命を感じます。

前田温泉近くのたばこ屋にて



ー 別府の歴史と温泉で出逢う変態達に魅了されていったわけだね。円城寺君から見た別府の魅力ってなんだと思う?

人はもちろんなんですけど、僕はやっぱり歴史にいっちゃいますね。夜の街と住宅地が隣接していたり、なんでこの場所にこれがあるんだ?なんでこれとこれが並んでるんだ?みたいな、遊び心がある街だと思いますし、そこに歴史が絡んでるのが面白いんですよね。地元の佐賀は基本城下町なんですけど、良くも悪くも簡素な街なので、比較するとさらに面白いですね。今だにレトロな建物や遊郭の名残が残っているのがいいなーと思います。

別府大学



ー 確かに別府は面白いものが隣接してるよね。成人映画と幼稚園、公衆浴場と大人のお風呂、西法寺と波止場神社の神仏習合の通りとか、表面だけ見れば面白い、カオス、って言葉になるんだろうけど、歴史をみていくとそこに理由や背景があったりするんだろうね。

そうですね。まさにそこを紐解いていくのが楽しさでもあるんですよね。

授業も勿論このスタイルで受ける



ー 僕も今「BEPPU TANSU NO KOYASHI PHOTO PROJECT」という企画をやっていて、地元の方達の生の写真をウェブでアーカイブするってことをやっているから、円城寺君がやってるアーカイブズには凄く共感する部分があるんだよね。100年前の写真も撮ってる時はその時の「今」を撮っているわけで、時が経過することによって同じ写真が全く違う意味を持ったりするから面白いよね。

そうですね。古い写真はそれだけで感動があるというか。

ー アーカイブズをする上で大切にしてることとか、今後の展望とかあれば聞かせて。

僕が大事にしているのは自分の足で集めるっていうことです。そういう情報があったり、人と繋がったりした時には直接見に行くようにしてます。地域の人と一緒にやることにも大きな意味があると思っています。最初は趣味で集めていた写真だったんですが、最近では企業さんからアーカイブズをやってほしいと頼まれることもあって、人が求めているアーカイブズをやっていければ、それがそのまま仕事になるんじゃないかなとは思っています。

別府大学にて



ー ほんと、その通りだね。地域の人と一緒にやっていくことが大事だよね。フリーランスでアーキビストをやっていくってことだね。

今はまだアマチュアのアーキビストなので、この後大学院まで進んで、アカデミックに専門知識を身に付けたアーキビストになっていきたいですね。

ー そういう人が別府でアーカイブズをやってくれたら、喜ぶ人は沢山いるんじゃないかな?

別府に残る気満々です!(笑)




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