BEPPU ONSEN ROUTE 88

No.02

河野忍、河野創、高橋明日香、高橋茉那

寿温泉 有名な子宝の湯

寿退社は結婚を契機に、女性が会社をやめることを俗にいう言葉。寿入浴は入浴を契機に、女性が社会に復帰することを俗にいう造語。二人のシングルマザーが別府八湯温泉道に挑戦したわけとは?


Writer & Photographer : 東京神父

楠銀天街

今日はよろしくお願いします。お二人は別府の生まれですか?

明日香:別府市南立石の生まれで、別府育ちです。

忍:私は大分市出身ですけど、お婆ちゃんが別府にいたので別府にはよく来てました。

お二人は名人になられてると思うのですが、どういった経緯で別府八湯温泉道に挑戦しようと思いましたか?

忍:最初は本当にノリで、子供が生まれた時に最年少温泉道名人を目指そうかなと。facebookに投稿したところ、名人会の佐藤会長と八木みちるちゃんが「いいねー」って感じになって後に引けなくなったっていう(笑)

明日香:そうだったの?(笑)

忍:そう、最初のきっかけはそうだったんだけど、私は自分で会社をやっていて、色んな人が大分を訪ねて来るんだけど「どこかいい温泉ないですか?」と聞かれた時にオススメが出来なかったので、別府を知るいい機会だから挑戦してみようかなと。でも、一人でやるのは心細かったので「明日香さん、一緒にどう?」って道連れにしました。

最終的には強豪チームになってましたね




そこから四人での温泉道が始まるわけですね。

明日香:子供が生まれた時期がほぼ同じだったんですよ。お互い家の中にずっといて、暇だったのもあるし、このままじゃ鬱になっちゃいそうだなと、私は。

忍:普通のパパとママがいる家庭の人達とは悩みが違うから、明日香さんだったら、共通の悩みを相談出来るってのいうのも大きかったですね。明日香さんはその時子育て中心の生活だったから、外に出たいっていうのがあったみたい。

明日香:まだ働ける状態じゃなかったからね。でも、あまり家に閉じこもりすぎるのも辛かったから、無理矢理にでも外に出る予定を作りたかったですね。他にやることがなかったから。

忍:私は働いていて、やるって決めた以上はやろうっていう後に引けない気持ちと、明日香さんとだったら楽しいだろうなっていう気持ちと両方でしたね。でも、大体十数湯くらいで、なんで私これをやろうって言ったんだろうってちょっと後悔しました(笑)


幼馴染の二人

お子様は当時お幾つでしたか?

忍:茉那ちゃんは三ヶ月で、創ちゃんは二ヶ月でした。当時の最年少温泉名人記録が半年くらいで、一日一湯行ったとしても三ヶ月くらいはかかるから、今始めないと厳しいなと。

小さいお子様と一緒に温泉巡りすることに不安はなかったですか?

忍:温泉に赤ちゃん入れるの大丈夫なの?って言われたこともあるんだけど、でも別府の街の人は家からも温泉が出る家庭が沢山あって、産湯や赤ん坊の頃に入っていたお風呂が温泉っていう赤ちゃんも沢山いて、そういう文化もあるし、明日香さんもいたので全く不安はなかったですね。

明日香:お互いのクセやどうして欲しいっていうのがだんだん分かり始めて、最終的には強豪チームになってましたね。

88湯も一緒に巡ると、絆が芽生えそうですよね。

忍:一人で温泉に子供を入れるのは大変だったので、お互い助け合えたっていうのも良かったですね。

明日香:色んな人が手伝ってくれて、初めて会う名人会の人が助けてくれたり、途中メンバーが増えて、赤ちゃん五人くらいで入ってた時期もありました。「明日行くよー」とかラインで交換して、みんな好きな時に来て一緒に温泉巡りしてましたね。

忍:あとは最初にサポートがあったのは大きかったです。

明日香:特にみちるちゃんが泉質とかも選んでくれて、最初から硫黄泉とかだときついので、単純泉の普通の温泉を選んでくれたり、施設もベビーベッドがあるところを選んでくれたり。

実際に温泉巡りしてみていかがでしたか?

忍:最後の方は一日三湯行ったり、ペース的な不安はなかったですね。

明日香:私は半分くらいで一回くじけそうになりましたね。「まだ半分か」と思ったり、「あとどこに行けばいいんだ?」とか(笑)

忍:五十湯くらい行くと赤ちゃん用のベビーベッドがない所も増えてくるし、別府の共同浴場は熱いので、そういう心配はありましたね。


子供がいると温泉もアトラクション

別府温泉のベビーベッド事情はどうですか?

忍:ある方だと思います。もちろん綺麗汚いはありますけど、大体ありますね。

明日香:共同浴場は8割ありますね。

全員が温泉名人

温泉道に挑戦してみて、何か心境の変化などはありましたか?

明日香:私はさらに温泉が好きになりましたね。温泉が当たり前の環境で育ったので、友達と温泉に入りに行ったりはよくしてましたが「混浴温泉世界」が始まって、別府って面白いかもと思い始めたのが三十歳の時でした。
仕事を辞めて、子供が生まれて、温泉道に挑戦して、温泉に入るの楽しいなと気付いた感じですね。近所以外の共同浴場はそんなに行ったことがなかったので、共同浴場の楽しさも知りました。
忍ちゃんと温泉で今日一日の話をしたり、おばちゃんとか地域の人と喋ることで、色々リセットされて、温泉を通して人と繋がる楽しさを感じていたのかもしれないですね。

忍:私は何が変わったということはないですけど、単純に楽しかったし、別府を知るということもクリア出来たし、友達の繋がりが増えたことは凄く良かったですね。

おっぱいぎゅうぎゅう事件




印象に残っているエピソードなどはありますか?

忍:初期の頃に地獄原温泉に行っちゃったことですかね。

明日香:私は断然、忍ちゃんの「おっぱいぎゅうぎゅう事件」ですね(笑)

なんですか、その面白そうな事件は(笑)

忍:どこに行っても「あんたは自分のおっぱいあげよるんかい?」って聞かれるんですよ。

明日香:「母乳?」って絶対聞かれるよね。

何か理由は何かあるんでしょうか?

忍:理由はわからないけど、赤ちゃんが一緒だと「母乳はいいのよ」って必ず言われるんです。私は温泉の後に必ずおっぱいをあげてたんだけど、とある温泉に行った時におばちゃんが覗き込んできて、おっぱいをぎゅうぎゅうって触られて(笑)

明日香:多分、おっぱいがいっぱい出るようにって押してくれてたんだと思う(笑)

忍:沢山飲みなよーって(笑)別府はここまで距離が近いんだってびっくりしましたね。

仲良しの二人

別府の距離感えぐいですよね。

明日香:わざわざ来て、赤ちゃんの顔を見るわけじゃなく、全然知らない人のおっぱいを触るってなかなかない距離感だと思う。

忍:嫌な人は嫌でしょうけど。それが嫌な人はそもそも行かなくなるだろうしね。私は凄く楽しかったですけど。

そんな別府にこれから観光に来る方や、子供と一緒に別府温泉に入りたいお母さん達に何かアドバイスなどあれば教えてください。

忍:まず名人会の事務所を訪ねる(笑)

明日香:私が今「親子温泉道」の担当なので、私を訪ねてくれれば(笑)

忍:「親子温泉道」というのがあるので、そこからスタートするのもありだと思います。年齢に応じて、適切な温泉を紹介してくれたりするので、そこで温泉を知ることもそうだし、人の繋がりを作ることが大切だと思います。観光は場所で楽しむより、人で楽しんだ方が面白いですし、旅の醍醐味はやっぱり人との出会いですから。

明日香:あとは滑らないように気をつけてね、ってことですね。私たちは子供が小さかったので走り回ることもなかったのですが、三、四歳の子は言うことを聞かないので、しっかり見てもらわないと危ないかもしれないですね。

今日はありがとうございます。最後にこれから別府に来る人へメッセージをお願いします。

忍:温泉道もそうですけど「フロマラソン」など別府は面白いコンテンツが沢山あるので、是非遊びに来てください。「フロマラソン」は東京の人に話すと「何それ、行きてぇ!」ってなりますから(笑)

明日香さんはどうですか?

明日香:別府は温泉以外にも楽しめることが沢山あると思います。私はこれから「地獄蒸し」の研究をしようかと思ってるんです(笑)温泉だけじゃない、物や人の魅力を別府に来て体感して欲しいですね。

忍:私は「地獄蒸しプリン」研究しようかな。

明日香:それ、ただの食べ歩きじゃん(笑)いっつもプリン食べてたもんね。

忍:温泉の後のプリン。オススメです。

何か言い残したことはないですか?

忍:さっきのサービスショット使ってくださいね。

明日香:あれ、でも見えてたでしょ?

忍:見えてない後ろからのショットを使ってください(笑)


よく見るとタオルに「LOVE」のサービスショット

MODEL PROFILE

名前:河野忍(Shinobu Kouno)
職業:株式会社モアモスト 取締役会長
(写真右上)

名前:河野創(Sou Kouno)
温泉道男性最年少記録保持者(1歳)

名前:高橋明日香(Asuka Takahashi)
職業:名人会理事
(写真左上)

名前:高橋茉那(Mana Takahashi)
温泉道女性最年少記録保持者(1歳)


CREDIT

タイトル:寿入浴
撮影日:2018年6月24日
写真撮影&インタビュー:東京神父

撮影協力:寿温泉、別府市、別府市温泉課、別府八湯温泉道名人会、佐藤正敏、指原勇、上野真治、宮井智史

※温泉や個人の情報は全て撮影当時のものです。

ONSEN INFO

寿温泉

寿温泉は明治32年創業で当時から子宝の湯として地域の皆さんに愛されてきた共同温泉です。昔は女湯しかなく、当時は浴槽に渡した丸太につかまって腰を温める独特の入浴法があり、そのおかげか、ここに通うと子どもを授かる人が多かったのだそう。



住所:大分県別府市楠町11−15


営業時間:15:00〜24:00(年中無休)


入浴料金:別府市内の方200円、市外の方300円


泉質:炭酸水素塩泉


地図:湯巡りマップ


公式HP:別府八湯温泉道サイト



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