BEPPU ONSEN ROUTE 88

No.47

Sawa.

亀川筋湯温泉 温泉には見えない憩いの場

別府の亀川で生まれ育ったSawa.さん。現在は大分の様々な場所でイラストレーターとして活躍しています。産湯は温泉という彼女の生まれ育った街、亀川で撮影してきました。生粋の別府人の別府愛に溢れたインタビューも是非ご覧ください。ちなみにカメガリアンとは亀川で生まれ育った人、愛する人のことを表した造語です。


Writer & Photographer : 東京神父

亀川筋湯温泉にて

まずは簡単な生い立ちを教えてください。

Sawa.:別府市亀川出身、亀川の四の湯育ちです。平坦な道を進み、短大まで出たもののそこから崩れ落ちて、気付けば2人の子供を授かり、自分の人生はこれでいいのか!と思ってその時に働いていた会社を辞めて、絵描きを始めました。33歳の時だったかな。

崩れ落ちたって表現、そのまま使って大丈夫ですか?(笑)

Sawa.:大丈夫ですよ。今まさに這い上がってる最中ですから(笑)

産湯も温泉




ということは絵描きになられたのもつい最近ってことですよね?

Sawa.:去年までユニクロで働いてましたから。もちろん趣味で絵は描いてましたが、本格的に始めたのは本当に最近のことですね。それまではユニクロで12年働いてました。

なるほど。今は大分にお住まいとのことですが、亀川にいた頃は温泉には定期的に行ってましたか?

Sawa.:家が温泉だったのでほぼ家の温泉に入ってましたね。


亀川散策

これ別府あるあるだと思うのですが、家のお風呂が温泉だと(温泉宿という意味ではなく、別府では普通の家のお風呂からも温泉が出るのが割と当たり前だったりします)近所に公衆浴場があっても入りに行かなかったりしますよね。

Sawa.:温泉の良さは別府を出るまでは全く分かってなかったですね。四の湯温泉も大人になってから初めて行きましたしね。そもそも温泉以外があるってことを知らなかったです。

僕も別府出身なんですが、確かに温泉の良さやありがたさに気付いたのは大人になってからですね。

Sawa.:お風呂=温泉でしたからね。産湯も温泉。有難いことって全く思ってなかったですね。

温泉の良さに気付いたのはいつ頃ですか?

Sawa.:子供が出来て、大分に住むことになるんですが、まず大分の水が肌に合わなくて。肌荒れとか目の充血とか。原因が分からずだったんですが、別府の実家に戻って温泉に入ると不思議と良くなるんですよね。蛇口をひねったらお湯(温泉)が出るのが当たり前だった生活がいかに幸せなことだったのか、その頃に気付きましたね。


小学生の男の子みたいに、と指示した写真

好きな温泉はありますか?

Sawa.:私は酸性の温泉が好きです。別府でいうと明礬の方ですね。ガッツリ汚れを落として、その後鉄輪温泉でメタケイ酸に浸かる。いわゆる「機能温泉浴」が好きですね。

温泉とSEXって似てますよね




通な入り方しますね。さすが別府人。ちなみに大分で1番濃い塚原温泉はph1.5の強酸性で、嘘かほんとか卵をゆでたら3時間で殻がなくなるそうですよ。やっぱりどうしても温泉に入りたい!って思うことってありますよね。

Sawa.:分かります。そういう時って悩みがあったりすることが多くて。特に何事もなく温泉に入って帰るだけで、身体だけじゃなくて心もスッキリしてることが多いんですよね。


温泉によって個性のある注意書き

僕もそうなんですが、生まれた時から温泉に入ってる人って温泉を欲するってことがあるような気がします。寝て起きてだと、どうしてもリフレッシュ出来ないというか。

Sawa.:温泉地で育った人の宿命かもしれませんね。洗い流して、新しい自分になる。温泉とSEXって似てますよね。(笑)

確かに。定期的にしないとストレスになっちゃう、みたいな(笑)

Sawa.:魂にえーっと、根っからのというか、抗えないというか、いい日本語が見つからないですね。本能に刻まれている、というか?

別府を出ると温泉に呼ばれる、みたいな感じですかね?

Sawa.:小一時間考えたいですよね。いいキャッチフレーズ(笑)

別府に限らずですが、自分のいた環境を外側から見てみることも大事なことですよね。

Sawa.:じゃと思う。


風呂上がりは愛のスコール

大分弁が出てきましたね(笑)この企画でも度々言ってることですが、「日常の大切さ」ですよね。

Sawa.:そういう意味で言うと、別府は本当に恵まれた、大切さの詰まった街だと思います。

別府は変態に溢れた街です。変態とは「人と違う目線で物事を見る」ということだと思うんですが、やっぱり人間性とか変態性って作品に出ると思うんですよね。温泉地のエネルギーに染められたアーティストの1人として、ご本人はどう感じますか?

Sawa.:温泉にエネルギーはもらっていると思いますが、私は逆に普通になりたいです。小さい頃から周りと話が会わなかったし、親とも合わないし。特にこだわりなんてものもないですけど、ただ「群れる」ことが嫌いなんで、それだけはしたくないなと思います。NO派閥!ですね(笑)

これだけは譲れないってものは何かありますか?

Sawa.:私に関わってくれる人を全員笑顔にしたいですね。それだけは譲れない。そのために描いたり作ったりしてますね。たまたま描いてるだけで、表現の仕方はなんでもいいのかも。


その気持ちは分かります。僕も表現方法がたまたま写真だっただけで、みんなが笑顔になるならなんだっていいのかもしれないですね。

Sawa.:みんなの笑顔が私の元気の源です。


カメガリアンなら知っている「不良坂」

素敵だと思います。笑顔に勝るものはないですよね。僕の根本にあるものは「全ての動機は愛であるべきだ」ってことなんですけど、作品を作るって愛でしかないですよね。Sawa.さんの根本は「みんなの笑顔」なんですね。

Sawa.:そうですね。笑顔だし、愛だし、ラブだし、人間だし。自己表現でもありますけど、人の為でありたいですよね。

僕もルーツが亀川なんですが(父親は四の湯で育った)、亀川愛という意味では僕らも繋がってますよね。

Sawa.:ボロボロの筋湯も、近所の福田さんも、2階から顔出した組合長さんも、亀川の堀さんも愛がありましたよね。

早く人間になりたいです(笑)




温泉の神様、八百万の神様が引き寄せる縁ってある気がしますよね。

Sawa.:自然と深く関わっていた頃の人々は、より愛を感じられる感受性を持っていたのかもしれないですよね。

それこそ、変態がいっぱいいたんじゃないかと思います。

Sawa.:亀川も別府も変態がいっぱいいるから、別府はかつての邪馬台国かも!(笑)

なんかそんな本があったような。浪漫がありますよね。浪漫も「愛」ですよね。

Sawa.:ロマンポルノも愛ですよね。

Sawa.さん、時々ぶっ込んで来ますよね(笑)

Sawa.:神父さんは「変態に憧れてる普通の人」って言ってましたけど、私は「普通に憧れてる変態」なのかもしれないです。早く人間になりたいです(笑)

妖怪人間なんですね。羨ましいです。今日はありがとうございます。最後にこれから別府に来る人へメッセージをお願いします。

Sawa.:一回来てみよ。としか言えないですね。自分の心と身体で体験するのが1番だと思います。郷土愛を再確認できたいい撮影でした。こちらこそ、ありがとうございました。


メイクとネイルバッチリでポスター風に




MODEL PROFILE

名前:Sawa.(さわ)
年齢:34歳
出身:別府
職業:イラストレーター


CREDIT

タイトル:Kamegarian
撮影日:2022年5月26日
写真撮影&インタビュー:東京神父

撮影協力:亀川筋湯温泉、別府市、別府市温泉課、kyoko、堀文まさ食堂

※温泉や個人の情報は全て撮影当時のものです。

ONSEN INFO

亀川筋湯温泉

温泉というより、見た目は小屋。鄙びたという言葉がよく似合う。「お賽銭」で入浴出来るという別府でも珍しい温泉で、季節によって温度が違うことでも有名。



住所:大分県別府市亀川中央町4-16


営業時間:7:00〜19:00


入浴料金:お賽銭


泉質:単純泉


地図:湯巡りマップ


公式HP:別府八湯温泉道サイト



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